栗好き

おなかいっぱい食べたい。

夫のちんぽが入らない、とわたし

最近ふとした時にセックスごっこをする。お皿を洗っているとき、うつぶせでスマホをいじっているとき。服を着たまま後ろから夫が覆いかぶさってきて腰を振る。

 

絶頂を迎える(ふりをする)瞬間、なぜか夫は庶民派スーパーの名前を叫ぶ。

イオン、西友、ヨーカドー。


そんな私たちはもう何ヵ月もセックスをしていない。

 


1/18にこだまさんのエッセイ本「夫のちんぽが入らない」が届いた。

こだまさんとの出会いはSNSだった。

 

3年前、夫のちんぽが入らないという同人誌が文学フリマで売られる、というツイートを見て「ちんぽが入らない女性が他にもいるんだ…」と驚くと同時に興味を持ち始めた。

 

こだまさんは旦那さんのちんぽだけが入らない。
わたしは夫のちんぽが入らないわけではない。2〜3ヶ月に1回くらいの確率でできる。ただ、こだまさんと違ってわたしは夫としかできない。

 

夫と出会う前の18から27まで何人かと付き合って来たが最後までちゃんとできたセックスは全部で3回くらいだ。
とにかく痛くて無理なのだ。
こんなのどこが気持ちいいんだよ、みんな本当は入ってねんじゃねぇかと思った。


痛みに耐えきれず誰ともセックスしたくなくなり、恋人がほしいと思わなくなった。

 

 

夫とのセックスも途中でやめてしまうことがよくある。

夫は優しい人なのでわたしが痛がるとすぐにやめてしまうのだ。


夫はくそマジメで他人に気を使ってばかりの無印良人だ。

不器用ながらも誠実に生きてる人なのにこんな不良品女と結婚させてしまって申し訳ないと思う。

 

しかしこういった苦悩はちんぽが時々入るわたしより全く入らないこだまさんのほうが何倍、何十倍も大きいはずだと思う。

 

しかし本やツイッター、ブログを通してみるこだまさんは悲劇のヒロインぶることもなくだれも恨まない。たんたんとしていてむしろどこかその現状を面白がっているふしもある。きっとこだまさんはシャイなんだと思う。


わたしは一方的にこだまさんに惹かれてしまい、どんどんこだまさんに興味を持ち始めた。

 

あまりツイッターで誰かをフォローしたりしないのだが、こだまさんのことは即フォローした。
こだまさんもすぐにフォローを返してくれて、とても嬉しかったのを覚えている。

 

こだまさんのブログも一気に読んだ。
何回も何回も読み返した。
夫に勧めると夫もはまった。

 

ちなみにわたしの夫はストーカー気質だ。
私との結婚も夫のストーカーがすべての始まりだった。

 

わたしは当時インターネット上で自主製作ラジオを公開したり、知人と音楽を作ったりしていたのだが、それを聞いた夫が「俺は多分この人と結婚する」と思い込み、ツイッターで声をかけられ時々スカイプで話しをするようになった。
お互いの顔も知らないまま私たちは付き合い始め、すぐに結婚した。

 

 


ある朝目が覚めると、夫の部屋からパソコンのプリンタが稼働している音が聞こえてきたので後ろから覗き込むと、夫がこだまさんのブログを全部プリントアウトしていた。

 

こちらに気づいた夫が振り返り、爽やかな笑顔でピースをわたしに向けてきたのを見て、やはりこの人で間違っていなかったと確信した。

 

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後日、このプリントアウトしたブログ冊子を文学フリマに持って行きこだまさんにサインをしてもらった。

こだまさんはとても気遣いのされる優しい方なので快くサインをしてくれたが、少し引いていたと思う。

 

 


3年前、同人誌に載せられたこだまさんのエッセイ「夫のちんぽが入らない」。

 

ざっくり言うと、学級崩壊して精神も崩壊して夫のちんぽが入らずヤリマンになって死のうと決意した教師の話である。(こだまさん談)


数十ページ程度の短い作品ではあったが、そこに書かれていた出来事にわたしはとてもショックを受けた。

 

こだまさんの文章はとても静かだ。
まるでわたしにだけ秘密を打ち明けてくれているような気がしてしまう。

 

静かな言葉で語られるショッキングな出来事たちはわたしの浅い体験と感受性ではとても処理できず、でもなんとかこだまさんと同じ景色を見たくて何度も何度も読み返した。


そんなこだまさんの「夫のちんぽが入らない」が、大幅に加筆修正されて出版されることになった。

ちんぽが一回り大きくなって帰ってくるのだ。

しかも全国流通。

 

 

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久しぶりに再会したこだまさんのちんぽ本はおしゃれにパワーアップしていた。


装丁も本のタイトルが見えにくいようになっていて、帯には松尾スズキが君臨。

 

私は早く読みたくて、食事・片づけ・寝る準備の全てを済ませ、ちんぽ本のページをめくった。

 

そこには今まで知らなかったことがたくさん書いていた。
一番意外だったのがこだまさんの旦那さんの人柄だった。

 

失礼だが、わたしはてっきりこだまさんの旦那さんは社会不適合で人格が破綻しかけているような人だと思っていて、そんな方と長年連れ添い続けるこだまさんは猛獣使いのような人だなと思っていた。

 

しかし実際は生徒思い(旦那さんも教師だったことにも驚いた)で本質をきちんと見ることのできる方だった。

 

 

実はわたしの夫も元教師だ。
平日は朝6時ごろ家を出て、帰りは0時過ぎ。
土日は部活の付き添いや学校行事の準備。


わたしは当時働いていなかったので、深夜に帰宅した夫をすぐに休ませ、本来夫が作るべき学級通信を夫が眠っている間に作っていた。


夫の教え子には誰1人あったことないので当たり障りのないことしか書けないが、それがわたしにできる唯一のサポートだった。

 

結果、夫もこだまさんと同じように精神を患ってしまい、学級崩壊。
夫は半年で退職した。

 

辞めた後も夢に教え子が出てきたり、退職後の手続きなどで職場の人から携帯に連絡がくるたび冬でも夫は汗だくになりパニックになっていたのをよく覚えている。

 

こだまさんの本にもこだまさんが学級崩壊になった経緯が丁寧に書かれていて、つい夫と重なってしまい読むのがとても辛かった。

 

夫が教師をしていた時に見せてくれたクラスの集合写真が1枚だけあるのだが、そこに写っている夫は死にそうな顔をしていて、でもなんとか笑顔を作っていて荒れたクラスをまとめようと必死にもがいているのが痛々しいほど伝わってきた。

今、その写真はどこにあるかはわからない。

 

当時のことを夫に思い出させるのは大変な地雷なので、夫からその話をしてこない限りこちらからはしないように気をつけている。

 

 

もともと夫は心が丈夫ではなく、10年以上前から心療内科に通っていたのだが、教師をするようになって薬の量が2倍、3倍と増えていった。


社会に対して消極的だった夫がやりたいと思える唯一の仕事が教師だったのだが、体と心がボロボロになってしまい辞めることになった。


こだまさんや夫は途中で仕事をやめてしまったことで取り残された教え子たちに対する罪悪感を背負ってしまっている。
わたしは本当に真面目な人たちだなと思った。

 

わたしはもともと子どもが好きじゃないし、性格も悪い。

他人に迷惑をかける人間全員嫌いだし、学級崩壊させるようなクソガキのこれからなんてどうでもいい。

そんな残された彼らに強いて送る言葉があるとすれば「まぁうまくやっていきなよ」くらいだ。

 

 

 

作品を読んでいて気づいたのだが、夫とこだまさんはとてもよく似ている。


自己肯定感が低いところ、昔から人と関わるのを避けて生きてきたところ、すぐに自分を責めてしまうところ。

だから夫やこだまさんにわたしは強く惹かれてしまうのかもしれない。

 

 

昨日の夜、突然夫が呟いた。
「今生での俺の目標は「自我」を置いて生きていくことなのかもしれない。」

 

なのでわたしは夫が置いたいった自我を見落とさないように、なかったことにならないように、ここに書き残していくことがわたしの今生での役目だと思うことに決めた。

風邪

久しぶりに風邪をひく。


感染ルートはわかっている。会社の新年会だ。
ちょっと豪華な新年会で、わたしは受付の手伝いをしていた。


開始から1時間。

わたしは喉の様子がおかしいことに気づき、途中退席しようとするも「あと五分でアイドルがくるよ!」と上司に引き留められ残っていた。


しばらくぼんやりしているとアイドル登場。顔は小さいが肌が荒れていてそこまで可愛くはなかった。
彼女たちは某有名アイドルの妹分らしく、次は彼女らがヒットするだろうといわれているらしい。


わたしは精いっぱいの笑顔を作り、彼女ら特有のちょっと変わったピースで写真撮影をした。
帰り際全員にCDが手渡され、帰宅後夫と聞いてみた。


私の友人にネットでこっそり音楽を作って匿名で発表しているニートの男の子がいる(そして実は私もボーカルとして彼の音楽づくりに匿名で参加している)のだが、彼の方がよっぽどいい音楽を作ってるなという結論で終了した。

 

そういえば以前ニートの彼と参加した音楽がらみのイベントでとある有名ロックバンドの方々と少しお話したことがあった。


はじめその方々とお話をした時もそのバンド名を聞いても私はよく知らなくて、家に帰ってネットで検索したら超有名人だった。紅白にも出てた。今年も出てた。

 

わたしはテレビをほとんど見ず、流行りの音楽のこととか何も知らなかったのだが、こんなこともあるのだからある程度は見ていた方がいいのかもしれないなと思った。


そんな有名ロックバンドの彼らが先日結婚&婚約を発表して世間をにぎわしていた。
彼らは私のことなんか覚えていないだろうけどひそかに祝福の言葉を送りたいと思う。
結婚おめでとうございます。

分け隔てのある彼女

秋葉原を歩いていると、いつになったら性は売り物にならなくなるんだろうと考える。

 

最近はすっかり銭湯に行くこともなくなり、朝早起きして夫と入浴する習慣がついた。


44℃の熱目のお湯にゲルマの入浴剤を溶かす。
夫は心療内科でもらった睡眠薬が朝まできれないみたいで入浴中もぼんやりしている。

 

最近リフレッシュできるものにハマっている。
入浴剤の次はハンドクリームにハマりそうだ。

 

前の職場のヒステリックで意地の悪い中年女が使っていたハンドクリームの香りが好きだったので試しに検索したら1つ一万円近くするハンドクリームだった。


土曜日。
10月から産休中の女性職員が突然事務所にやってきた。
比較的高齢出産だったが無事に生まれたらしい。

 

彼女は総務の仕事を任されているのだが風の噂によるとその仕事を私物化しているところがあるらしい。

 

自分のタイムカードを書き換えたり、自分の分だけの給与計算をして産休に入ったり、お気に入りの人とそうじゃない人とで分け隔てのある対応をしていたり。

 

めんどくさいのでこれらの情報全部聞かなかったことにして明日から働いていこうと思った。

追悼

今日はどうしてもお煎餅が食べたい午後だった。
特に歌舞伎揚げ。


帰りにコンビニで買って帰ろうかと思ったが、最近食べ過ぎてる気がしたので我慢した。

 

帰りの電車の中で能町みね子さんのブログを読む。
急死したある雨宮まみさんのことが綴られていた。


能町さんの文章を読んでやっぱプロは違うなと思った。
不謹慎だけど何度も読み返さなきゃいけないような気にさせる文章だった。

 

入浴剤

最近、銭湯に行かない日は家で入浴剤を楽しんでいる。

 

とある泡風呂(会社名は忘れた)は泡を作るのがちょっと手間だがもこもこの泡に癒されていい感じ。

翌日の肌ツヤもいい気がした。

お湯に浸かっているときは気のせいかもしれないが体がちょっとヒリヒリした。

 

リラク社のゲルマバス温浴は白く濁り温泉の匂いに癒された。

ダイエット効果も高いらしく、湯冷めすることなくしばらくポカポカだった。

一番高いだけあって効果は抜群だ。

 

クナイプのバスソルトは香りが素晴らしい。

今回は森林の香りを選んだが、香りもそこまで強くなく1日の疲れを取ってくれる感じがした。

ゲルマバス温浴ほどではないが体の芯まであったまっていい感じだった。

 

 

YouTube松本紳助を見る。
紳助がこんなことを言っていた。

 

人間大きな悩みを持たないとダメだ。

小さい悩みを持ってしまうと人に相談しにくいので気がついたら自分の中でどんどん大きくなってしまって取り返しのつかないことになっていることがある。

大きな悩みだと周りも聞く耳を持ってくれる。それに大きな悩みは小さな悩みを食べてくれる。だから大きな悩みを飼いならしていたほうがいい。


わたしの職場に対する悩みはきっと小さな悩みなんだろうなと思った。

先日、母とスカイプ通話をしていた時に一人で家にいたり電車に乗っていると呼吸が苦しくなってどうしようもなくなる時があるという話をした。


母からはパニック障害ではないか?と言われた。
母はすごく過保護だし、住んでいるところもすごく遠いのでなのですごくすごく心配していた。

 

私はどうやら自分で思っている以上にストレス耐性がない。
親元を離れてからさらにひどくなった気がする。

 

結婚して約4年。

何度か体調が悪くなり病院へ行くと決まって医者から「ストレスが原因です」という診断をくだされてきた。

 

どうしてもストレスをため込んでしまう性格らしい。

しかしストレスをためないように生きることがまたストレスの種となる。

 

遠く離れたところに住む母が健やかで充実した毎日を送っていてほしいように、母にとっても私がそんな毎日を過ごしていると思ってもらいたいのだが心配をかけてばかりだ。

 

この4年間、夫といろんなところへ出かけたりいろんな話をして毎日を過ごしてきた。
私たちは2人そろって友達が少ないので何をするにしてもいつも2人だ。


夫がいないとき私は一人で過ごし、私がいないときは夫が一人で過ごす。

 

今の職場になって私たちの休みの日が合わなくなってきた。

ちなみに私は仕事がある日は20:30頃帰宅し、夫は23時過ぎに帰宅する。
この私が帰宅してから夫が帰宅するまでの過ごす一人の時間がどうやら私のストレスとなっているらしい。

 

そこで出会った銭湯。
会社と自宅を結ぶ細長い直線の途中に♨マークが現れた。

 

19:00に会社を出て、食事をすまし、20:00銭湯に到着。
21:00過ぎに銭湯を出発し、22:00に帰宅。
夕飯や明日の準備をしていたら夫が帰ってくる。

 

銭湯に寄った日は心が安定している。これしかないと思った。
もし銭湯がなかったら変な宗教に入ったり夜な夜な繁華街へくり出していたのかもしれない。

そんな度胸ないけど。

脇が甘い

職場から30分ほど歩いたところに大きなお風呂があるネカフェがあるとの噂を聞いて仕事終わりに行ってみた。

 

お風呂の他にリーズナブルな食事も提供していて口コミの評価も高かったのでかなり期待して向かった。

 

無事到着、即大浴場へ。
写真ではかなり広そうだったのに実際見てみるとロッカーが10個しかなく、すべて使用中のため荷物が置けない。

すなわち入れない。

 

仕方ない、先にごはんでも食べてるかとレストランフロアへ行くもそこも狭く満席。

 

はなからネカフェ本来のサービスである漫画を読んだりネットをしたりする気もなく、風呂と食事しか頭の中になかったので一気にテンションがさがる。

 

カウンターへ行き開始5分で退室手続き。550円を無駄にしてしまい自暴自棄になる。
往復1時間無駄にしてしまった。

 

やはりわたしにはあの銭湯しかないと思い例の銭湯に早足で向かった。


到着。
土曜日だからか昨日よりも空いていた。
そして昨日よりも若い人が多かった。

 

わたしも2回目の銭湯なので昨日よりも荷物のまとめ方とか洗う手順とか手際がよくなった気がする。

 

初めて来た風の女性が湯船からじっとわたしの動きを見ていた。


彼女にはわたしが常連に見えているのか、それとも脇毛を処理しないまま大胆に腕を上げ洗髪しているわたしの勇ましい姿に驚いていただけなのか。


真実は闇の中、湯けむりの中だ。

 

いずれにせよ銭湯はいい。
10枚で4200円の回数券もあるみたいだから次回からはそれを使ってみよう。