育休明け
月末、繁忙日。
わたしは総務と経理の仕事に勤めている。
月末の事務処理に追われる中、退職者の処理のためハローワークへ。
仕事中とはいえ、やはり職場の外へ出かけることは私にとって最大の気分転換だ。
別に職場が嫌いというわけではないのだけれどなんとなく嫌なのだ。
ハローワークで処理を済ませ、帰社。
一番忙しい時間帯に今月から育休から復帰した職員が退社する。
彼女はいつもそうだ。
事務所に電話が沢山鳴って一番忙しい時間になると席をたちどこかへ行ってしまう。
そして忙しい時間が終わると戻ってくる。
その行動があからさますぎてちょっと嫌いにはなれない。
今日私が済ませてきた退職者の処理も本当だったら彼女に行ってもらったほうが私は助かるのだが、部長いわく「彼女は人の給料とか個人情報を仕事以外の目的で見るところがあるので任せられない」とのこと。
おまけにエクセルも使えないのでエクセルを使う作業も任せないほうがいいとのこと。
電話も出ない、エクセルも使えない、労務処理も任せられない彼女なのでとりあえず電卓を叩く仕事だけを任せている。
白菜
夜、ダビンチコードを見る。
トムハンクスを見ていると白菜を連想してしまう。
夫はいつも23時過ぎに帰宅するため平日の夜はずっと1人で家にいる。
わたしは家に1人でいるときにお風呂に入るのがすごく苦手だ。
入浴中にちょっとでも他の部屋から物音がするときになってしまう。
なのでできるだけ早くお風呂から上がりたい。そのためにもコンディショナーはつけたくないのだ。
コンディショナーを浸透させる時間が待てないのだ。
だがそうなると髪が軋んでゴワゴワしてしまう。
銭湯に通うのもアリかもしれない。
予防接種
午後。
インフルエンザの予防接種へ。
ちなみに弊社では職員全員の接種が義務付けられている。
今しかないと思い、職場が一番忙しい時間帯に抜け出す。
病院の待合室で別の課の山崎部長とばったり会う。
部長が柴犬を二匹飼っている話と、犬がいると生活が制限されるので本当は捨てたいという話を15分くらい聞いていた。
山崎部長は先に予防接種を済ませ爽やかな笑顔で去っていった。
わたしの名前が呼ばれる。
扉を開けると包容力のある優しい笑顔の女医さんが座っていた。
かるく問診を済ませ、針をわたしのひじ上に刺すと
「痛くないでしょ?他の人よりゆっくりお薬入れてますからね。こうやると時間はかかるけどその分痛みは少なくなるんですよ。痛くてもいいから早く済ませて欲しい!って方にはさっさと打っちゃうんですけどね。」と言っていた。
わたしは「ゆっくりの方がいいです」と答え、ゆっくりと入ってくるお薬を左肘上に感じていた。
病院を出るとすっかり外は暗くなっていたがわたしは少し遠回りをして職場に戻った。
大戸屋
夕方、むしゃくしゃしてまたもや職場を抜け出して大戸屋へ。
最近職場にいるとむしゃくしゃするのであまりいたくないのだ。
ちなみに今日は黒酢あん定食。
ここの大戸屋のカウンター席は目の前が一面ガラス張りで店もビルの三階にあるためカウンター席に座ると外の景色が見下ろせるようになっている。
わたしはよく1人でごはんを食べに行くが1人ごはんが全く平気というわけではないので、視界に他の客が入ると視線を感じそわそわして落ち着かなくなる。
だけどここの大戸屋のカウンター席は視界に客が入らない。視界に入るのは窓の向こうにいる歩行者の頭頂部だけだ。客入りも18時前だからかそこまで混んでいない。
対応してくれる店員は毎回東南アジア系の留学生らしき人たちだ。
日本人店員にはない可愛げがある。
食事を済ませレジに並び会計を済ませた際、大戸屋のカードを持っていないので作ってくださいと伝えると「あ、カード持ってなかったもんね…」とつぶやき両手で渡してくれた。
わたしは急いで職場に戻った。
自首
とある企業から連絡あり。
どうやらうちの会社が回答して送り返さなくちゃいけない報告書類がまだ届いてないとの内容だった。
わたしの隣の席のいつもニコニコしてて穏やかなおじいちゃん職員が「俺が捨てちゃったのかなぁ」と書類をガサゴソしてた。
ごめん、それわたしがむしゃくしゃして破って捨てました。とは言えなかった。
くそじじい
土曜出勤。
朝の電車でやばい中年男性がのってきた。
そいつはずっと罵声のような大きな独り言を繰り返していた。(駅構内にある大学の看板を見ながら)「どうせ一橋大にも行けねぇ連中しかこねぇだろ!俺を見下しやがって!!」
「TPPなんかおしめぇだよ!」
隣に座ったがために絡まれていたアフリカ系の留学生は笑顔で対応してあげてて本当にたいしたもんだなと思う反面、くそじじいと同じ日本人として情けなくなり謝りたくなった。
帰りの電車。
偏頭痛に苦しみなぜか鼻水が止まらなくなる。
ふと思う。
綺麗な人は電車の中とか人前で鼻水が止まらなくなったりするのか?わたしは美人が公共の場で鼻水が止まらなくなって指で鼻水を拭いたりする場面に出くわしたことが今まで一度もない。
顔面の乱れは鼻腔の乱れ、ということかもしれない。